外壁塗装での色の決め方 – 塗る色を決める時の考え方のあれこれ

結論から言うと、「自分の好きな色に決めればいい」ということなのですが、それだと身もふたもないので、色決めの考え方を少し詳しく書いてみます。

外壁の色を決めるための考え方

1・隣近所の家の色との調和を考える

ですが、調和とは何ぞやと考えると、隣の家と同系色の似た色ということになるのでしょうが、同系色ばかりだと面白みに欠けますし、別の系統の色でも、月日がたつうちに慣れます。
ですので、近所の家の外壁の色に合わせなければならないということもないと思います。
白と赤の縞模様というような、突飛な色合いでなければ、周りの家屋と馴染むものです。

2・窓サッシや玄関ドアの色との配色の兼ね合いで考える

窓のサッシ部分は塗装しないので、既存の色(一般的にアルミサッシの色は、グレーか、白か、茶色でしょう)に合わない色を外壁に塗らないということです。
アルミサッシが白かグレーなら、外壁に紺色や焦げ茶などの濃い色を塗ると、窓サッシが目立ちすぎるということなのでしょうが、これも慣れます。実際に何軒かそういう外壁塗装をしましたが、特に悪く目立つこともありませんでした。これも慣れの問題です。

3・汚れが目立たない色にする

薄い外壁の色は汚れが目立たないとか、濃い色の方が排気ガスが付いても目立ちにくいと言いますが、外壁の汚れとは何ぞやと考えると、一番目立つ汚れは、窓の端から垂れてくる黒い筋の汚れです。
その汚れとは、窓サッシレールに溜まったカビや排気ガスが、雨で、サッシの端っこから流れ落ちて、外壁に付着する黒い筋模様です。この汚れは、汚れが黒いので、薄い色の外壁の方が目立ちます。それ以外の汚れは、目立ちません。

少し脱線しますが、細かい砂粒を混ぜた塗料を塗るリシン壁というものがありますが、リシンの細かい凹凸の、凹んだところに排気ガスが入り込み、付着して、一面が汚れることが多くあります。
その汚れは取れません。リシン壁の上からまた塗装しなければ汚れたままです。
一般的な外壁サイディングはリシン壁ほど細かい凹凸ではないので、一面が汚れるということはありません。

4・庭の植木や芝生の色と調和する外壁の色にする

この場合は、何色の外壁でもOKです。自然の樹木や草木の、自然の緑色や、空の青色というのは、自然界の色ゆえにか、何色にでも調和します。

こういうことからも、外壁の色は、何色でもよいと、思います。ですので、自分の好きな色を塗ればいいのだということになります。

では、実際に外壁の色を決める流れを書きます

私が自分の家の外壁塗り替えの、色を決めるとすると?

私は、外壁の色は、落ち着いた、明るめの、でも、それほど目立たない、そういう色にしたいと思います。

色の系統を決める。

沢山の色の色見本カタログ
黄色系か、青色系か、赤系か、茶色系か、グレー系か、白系か、を決めます。
先に書いたことから考えて、私は、黄色系を塗ることにします。
黄色系は、明るいレモン色から、濃い色の黄土色までありますが、レモン色は明るすぎるし、目立ちすぎると思います。
でも黄土色は華やかさに欠けるし、キレイという色ではないので、もう少し明るい色がいいなと思います。
でも真っ黄色は軽薄な感じがします。なので、中間をとって、そして、ほんの少し赤味が入った、クリーム色か肌色にします。

少し日にちをおいて、また考えて、最終的に肌色を塗ることにします。

以上は私個人の考え方です。

ですが正直なことを言うと、車に乗っているときや、歩いているときに、いろいろな家屋の外壁の色を 見ていて、肌色が一番いいなあと、直感で思っただけなのです。
上記に書いたことは、その後付けの理屈です。
私の無意識の好き嫌いで、肌色を塗ろうと思ったのだと思います。
ですので、その人、その人の無意識からの好き嫌いが決める、直感を大事にして、塗る色を決めることが大切だと思います。それが、塗り替えた後15年くらい付き合う自分の家の色を、後悔しない秘訣なのだと思います。
以上のことが、最初に書いた、自分の好きな色にすればいいという根拠です。

実際の色決めの方法

細かい色見本は、かえって分かりづらい。

外壁塗装の色見本帳・発行元の一般社団法人日本塗料工業会を大きく扇形に広げたところ
上記の画像の色見本カタログは、細かすぎて、分かりづらいと思います。
何かを決める時に選択肢がありすぎるのも、かえって決めることができなくなることが往々にしてあります。
私でも、下の画像の、色の数が少なく、よく使われる色だけを載せた色見本のほうが見やすくて、選びやすいです。
外壁塗装の色見本カタログ

パソコンでカラーシミュレーションで確認する。

カラーシミュレーションで、簡単に、いろいろな外壁の色を変えて見ることができます(昭美堂の外壁塗装のページの下の方に、塗料メーカーのカラーシミュレーションのページにリンクしてあります)。

上記のことを、日にちをおいて何回かやって、最終的に色を決めるということが、外壁塗装の色決めの方法です。
色を決めるために悩むのも、楽しい悩みだと思います。
家族で、自分の色の好みを言い合って、意見交換して、最終的に、自分の家の外壁塗装の色を決めることも、家族の絆を確かめる一つだと思います。

色を決めるときに注意することや、考えておくべきこと

1・面積効果

実際に外壁にペンキを塗ってみると、色見本カタログより薄い色に見えます。
色というのは、狭い面積で見ると、少し濃い色に見えます。逆に広い面積の色を見ると、少し薄く見えます。
ですが逆に、紺色や焦げ茶色などの濃い色は、実際に塗ると、カタログより濃い色に見えることもあります。

一般的に外壁には薄い色を塗ることが多いので、色見本のカタログの1センチ×2センチの面積の色で決めると、実際に家屋に塗ってみると、思っていたより少し薄いなあと思うかもしれません。
でも私は、これもそれほど気にしないでいいと思っています。
理由は、太陽の光が当たっている面は明るく薄い色に見えるし、日陰の面は暗く濃い色に見えます。曇りの時も少し濃い色に見えるので、状況によって色合いが違って見えるからです。

2・日向と日陰での色の見え方をイメージする。

太陽の光が当たっているところと、当たっていないところの外壁の色の見た目の違い
色見本を家の外に持っていき、日が当たっている外壁に当ててみる。日陰でも同じようにして見る。
日向での色と、日陰の色の違いは、こうなるのだな、とイメージするということです。

3・外壁サイディングの凹凸の模様によっても色合いが変わる。

外壁板の表面の凸凹が細かければ、凹の部分に日が当たらずに陰になって、全体が濃い色に見えます。すりガラスが光を反射しにくいことと同じです。
色見本カタログは紙ですからツルツルの平坦なので、実際の外壁の凹凸模様を自分でイメージする必要があります。

4・原色と濃い色は、色がひけやすい。

赤とか青とか紺色とか焦げ茶色とかの、原色や濃い色は、年月がたつにつれて色が薄くなりやすいです。特に赤という色は、色が抜けやすい色です。紙に印刷したものも、赤いインクは退色が早いです。
でも、色が薄くなるスピードは、実際は言うほど速くないですし、年月が経っているのですから、毎日見る自分の家の色は、慣れているので、言うほどわからないものです。
薄い色に較べると、濃い色の色の薄まりが少し早いというだけのことで、心配するほどのことではありません。

それから、原色などの派手な色は、飽きやすいかもしれません。

5・ツヤがある色とツヤ消しの塗料。

塗料は、普通はピカピカ光るツヤがありますが、同じ色でも、ツヤが無いものや、ツヤの少ない塗料があります。
ツヤの割合が、70%、50%、30%、そして0%のつや消し塗料というものもあります。
私個人は、通常のツヤ100%が良いと思っています。理由は年月がたてばどうせ艶は減っていくのだし、単純素朴に、塗り替えた直後はピカピカしていたほうが気持ちがいいからです(笑)。
艶の有無も個人の好みで選べば良いと思います。

6・ツートンカラーは下が濃い色にすると安定感があると言われているが、どちらでも良い。

ツートーンカラーで、二階部分などの、上の方を濃い色にした塗装も経験がありますが、どちらでも違和感はありません。これも好きな色を塗ればいいということです。
ですが、家の塗装の色数は、多くても2色までが良いと思います。3色以上だと、ゴチャゴチャした見た目になりますし、施工料金が高くなります。お金を余計に払って、見た目が悪くなるのは良くないです。

7・和風住宅は決まった色になる。

和風住宅は、昔からの決まった、黄土色系か、クリーム色か、薄い紫系が一般的な外壁色になると思います。
良い悪いは別にして、和風の家屋は、そういう色で、安定感があって、良いのだと思います。私個人の家だとしても、そうします。

8・色見本やカラーシミュレーションで見える色は、実際の塗装の色ではない。

先にも書きましたが、昭美堂の外壁塗装のページの下の方に、塗料会社のカラーシュミレーションにリンクしてあるので、使ってみてください。
ですが、あくまでディスプレイやパソコンモニターで見える色ですので、厳密に言うと、実際の塗料の色とは違います。それは色見本のカタログの色も、実際のペンキの色とは違います。

9・近所の家の色や、買物に行った時に見える家の色を参考にする。

これも手軽にできて、でも大事なことだと思います。
私も世の中の外壁の色を、無意識にそういう目線で見ています。

▼外壁以外の場所の塗装の色のこと

1・軒天

軒天とは、屋根が外側に突き出ている場所の真下部分にある、屋根の裏側にあたる部分で、下向きの板のことです。軒下に立って、上を見上げると見える、(ほとんどの家が、白い)板です。玄関が突き出ている場合の、玄関屋根の下側部分も軒天です。
この場所は白か、外壁よりも薄い色で塗装するのが原則です。
理由は、軒天は下向きなので日が当たらず、色が暗く見えるため、だから明るく見せるために、塗料も明るい白系にして、下から見た時に明るく見えるようにするからです。

2・破風

破風とは、屋根が外側に突き出ていて、屋根の先端から下に向けた垂直の面の板です。おもに雨樋が取り付けられている部分です。
破風板の色は、雨樋と同系色にするのが原則です。
理由は、昔は雨樋というものが無かったので、雨樋を目立たないようにさせたいからだと思います。
雨樋を目立たせたくないという理由は、雨樋という物が付いて、家の見た目に違和感が出て、そういう、後から付けた物を、何とか目立たせないようにしたいという思いから、破風と雨樋を同系色にしてきたということだと思います。
それは原則として、エアコンの配管や、換気扇の排気フードなどの家屋に付いている物も目立たせたくないので、外壁と同じような色にするという考え方があります。
ですが逆に、雨樋や(特に縦の雨樋)、エアコンの排気管や、換気扇フードを目立たせて、見た目のアクセントにするという考え方もあります。これも個人の好みだと思います。

3・雨樋

雨樋へ塗装するのは、私は、原則としてしないほうが良いと思っています。
その理由は、雨樋の材質のプラスチックへの塗装は剥がれやすいことと、雨樋というものは、壊れやすいので、壊れたら、取り替えるものだという考えです。ある意味、雨樋は消耗品だと思っているからです。
雨樋に塗装せよという依頼ならば、もちろん塗装しています。今までも何回か、お客さんから依頼されて、雨樋に塗装施工しています。

以上、外壁塗装の色決めの考え方と、外壁板以外への塗装の考え方を書きました。あなたの家の外壁塗装の色を決めるときの、参考にしてみてください。

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