破風に金属板を貼る – 破風を長持ちさせて、美観を保つ方法
破風とは
破風というのは、屋根の出っ張りの先端の垂直面のことです。
屋根を支える垂木板(タルキ板)の先端や、垂木板と垂木板の隙間をふさぐ、垂直の板のことです。
鼻隠しとも呼ぶこともありますが、ここでは破風板という言葉で統一して呼びます。
破風の役割り
破風の役割は、いくつかあります。
屋根裏に雨風を入れない
垂木板と垂木板の間に隙間があると、その隙間から雨風が入ります。そうすると屋根の下に水気や湿気が入り、屋根裏や、家の内部に湿気がたまり、家のために良くありません。
台風などの横殴りの大雨が吹き付けると、垂木板と垂木板の隙間があれば、そこから大量の雨が屋根裏に入り込み、家の雨漏りにつながります。
防火
雨風だけでなく、隣の家から出火した場合、風に乗った火の粉が垂木板と垂木板の隙間に入り込み、こちらの家も火事になります。その火の粉の入り込みを防ぐ目的もあります。
自分の家から出火した場合でも、破風と軒で、炎が屋根裏に行かないようにする役割もあります。
美観のため
他に、垂木板と垂木板の隙間を塞いで(隠して)、すっきりとした見た目にするためでもあります。
雨樋を取り付けるため
他には、雨樋を取り付けるための下地板でもあります。
昔ながらの木造和風建築の場合は、あえて破風板を付けずに、鼻木という垂木をむき出しにして、鼻木の先端を白く塗る見た目の家もあります。
破風の材質
木、金属、窯業系がありますが、ほとんどの家の破風板は、木です。
新築時は、木に塗装してあります。その塗装が、年月がたつと、剥がれてきます。
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◆破風板の塗装が剥がれていて、見た目が悪くなっていますし、このままでは腐食も進みます。
塗料が剥がれれば、見た目も悪くなりますし、塗料は木を守るためのものですから、塗料が剥がれれば、雨風が木に直接当たるので、腐食しやすくなります。
それを防ぐために、外壁塗装の時に、破風板に塗装をするのです。
破風板の塗装
外壁塗装時に、破風板にも塗装しますが、木への塗装は、長持ちしません。だいたい4、5年も経つと、塗料が剥がれてきます。
一般の家を見ると、外壁の塗装はキレイなのに、屋根の先端の垂直面の板(破風)をよく見ると、その板の塗装が剥がれている家がほとんどです。
それは、外壁の塗装は、10年もったとしても、破風板の木の塗装は、4、5年しかもたないから、破風板の塗装が先に剥がれてくるのです。
破風板は、それほど目立たない場所ですし、雨樋があれば雨樋に隠れているので、塗装が剥がれていても、見た目はそれほど気にならないものですが、よく見ると、わかるのです。
窯業系の材質の破風の場合は、窯業系の外壁と同じくらいの塗装の持ちですから、外壁の塗料の剥がれと同時期に剥がれます。ですが、今のところ窯業系の破風板の家は少ないです。
破風板に金属板を貼る
木の破風板の塗装は剥がれやすいので、いっそのこと塗装ではなく、破風をおおうように金属板を貼るという方法があります。
今はガリバリウム鋼板という丈夫な金属板があるので、それを破風に張ることも、破風を長持ちさせるリフォームの方法です。
そうすれば、破風板の塗装が剥がれるということはないですから、見た目もキレイなままです。
(ガリバリウム鋼板の長持ちぐあいですが、ガリバリウム鋼板の表面が腐食してくれば、鋼板に塗装が必要になります。ですが、10年以上は、ゆうに持ちますし、15年でも持つと思います。しかし正常なガリバリウム鋼板が世の中に出回ってから、まだ20年は経っていないので、ガリバリウム鋼板が何年くらい持つのかは、誰も正確にはわかっていません。しかし、塗装するよりは、だんぜん長持ちします。)
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◆ガリバリウム鋼板を破風の形に合わせて切って、専用機械で折り曲げて、破風の形に加工します。
破風板に板金貼りの料金
破風板に塗装するよりは、料金が高くなります。
ですので、リフォーム料金を節約する意味で、人目につく玄関側だけを、破風に板金を貼って、他の破風板は従来の塗装をするという方法もあります。
私は、料金を抑えるためには、そのやり方が良いのではないかと思っています。
あるいは、新潟市は西北側の海側の風が強いので、西北側の外壁や破風板が腐食しやすいです。なので北西側の破風板だけに板金を貼るということも、考え方の一つです。
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◆破風にガリバリウム鋼板を取り付けます。
◆破風に白いガリバリウム鋼板を貼った家です。
破風が長持ちして、キレイな状態が、長く持続します。
ガリバリウム鋼板の色
ガリバリウム鋼板には、いろいろな色があります。
外壁や、屋根の色に合わせて、好きな色のガリバリウム鋼板を選べます。
破風に金属板を貼る工事の詳しいことは、昭美堂に相談してください。